犬はよく「噛む」動物です。子犬の甘噛みは可愛い仕草ですが、成犬の噛み癖は大きなケガにもつながるので、しつけをしてコントロールする必要があります。
とはいえ犬も意味なく噛んでいるわけではありません。犬がなぜ噛むのかを理解することが、しつけの第一歩になります。

この記事では、愛犬が飼い主を噛む5つの理由としつけ方法、しつけの失敗例について紹介していきます。
1.犬は噛む習性のある生き物だという理解が大切 犬は、人間のように手や言葉を使えない分、口を使って器用に物を運んだり、おもちゃを噛んでストレスを発散したりします。犬にとって「噛むこと」はごく自然な行為なのです。

しかし、犬の噛む力は強く歯は尖っているため、本気噛みされればケガをする恐れがあります。歯磨きやブラッシングなどのメンテナンスができなくなる、ご近所トラブルにつながる可能性も考えられますよね。

噛む行為は犬の習性ですので完璧になくすことはできませんが、愛犬と楽しく暮らしていくためには、人間社会のマナーを覚えてもらうことが必要です。どうして愛犬は噛むのか、正しいしつけはどうすればいいのかを身につけ、適切に対処していきましょう。
2.愛犬の気持ちを知りたい!飼い主を噛む理由 愛犬が噛む理由は一つではありません。しつけの前に噛む理由を知り、愛犬の気持ちをしっかり理解していきましょう。 本能的な欲求 まず、本能的につい噛んでしまうケースが考えられます。寝ている時、後ろからなど、犬が予期せぬタイミングで触ってはいませんか?愛犬は、「攻撃された!」「お気に入りのおもちゃを取られないようにしなきゃ!」と身を守るための行動として反射的に噛んでいるのかもしれません。

本能的な防衛・攻撃としての噛み癖は直らないケースもあるため、獣医師やトレーナーへの相談も検討するといいでしょう。
口の中がむずがゆい 子犬の場合は、歯が生え変わるときの違和感で手や家具を噛んでしまうこともあります。生後1カ月ごろから乳歯が生え始め、生後6~7カ月ごろには永久歯に生え変わるため、この月齢に噛んでくる場合は歯がムズムズしている可能性が高いです。 ストレスや恐怖 私たちが恐怖を感じたらとっさに手で顔を覆い隠すように、犬もストレスや恐怖を感じたときについ噛んでしまう場合があります。知らない人に撫でられた、引っ越しをして環境が変わった、運動不足、体調不良などで不安を感じていないか気を配りましょう。 甘えや興奮 反対に、飼い主に甘えている、遊びで興奮しているといったポジティブな感情でも強く噛んでしまうことがあります。

本来は、親や犬同士のじゃれあいで噛む加減を覚えていくのですが、人がワンちゃんに加減を教えるのは難しく、親犬と離れる時期が早いと学習できないまま育ってしまいます。子犬の頃から噛んではいけないものを教えるようにしましょう。
誤ったしつけ 気をつけたいのが誤ったしつけによる噛み癖です。しつけとしてマズルを力任せに掴んだ、強く叩いた経験はありませんか?

恐怖心から一時的に噛まなくなっても、身を守るために余計に噛み癖がひどくなる犬もいます。飼い主以外の人の手を噛むようになる可能性もあるので要注意です。
3.【3ステップ】愛犬の噛み癖を直すしつけ方法 犬の噛み癖のしつけは、正しい手順を踏んで行うと効果が出やすいです。愛犬の噛み癖をしつける方法を3ステップで紹介していきます。 根本的な原因を解消する 運動不足でストレスが溜まっているなら運動時間を増やす、皮膚病で全身がかゆくイライラしているなら病院へ連れて行ってあげるなど、まずは愛犬がなぜ噛むのか理由を探り、改善することから始めましょう。

いくらしつけをしても、噛む根本的な原因を解消しないとトレーニングの効果は出にくくなってしまいます。ワンちゃんの気持ちに寄り添えば、しつけ以外の方法でも噛み癖が改善されるかもしれません。
噛むおもちゃで欲求を満たす 家の中で噛む欲求を満たしてあげることも大切です。何でもダメと抑え込むのではなく、おもちゃを与えて遊びでエネルギーを発散させてあげましょう。

ロープ状のものなら引っ張りあいっこをして一緒に遊べます。留守中や目を離すときは、おやつ内蔵型のおもちゃを与えるのもおすすめです。
ただし、手でぬいぐるみを持って遊んでしまうと、手=おもちゃ、噛んでもいいものと認識してしまうため、手では絶対に遊ばないようにしてくださいね。
おすすめ商品
犬の「噛むおもちゃ」には、さまざまなタイプがあります。

ナイロンやゴムなど弾力がある素材でできたおもちゃは、気に入れば、夢中になって噛み続けてくれます。噛んでいるとおやつが出てくるもの、ベーコンやフルーツなどのフレーバー付きもものなど、商品ごとに飽きにくい工夫がされています。
噛む力が弱い子犬・小型犬・老犬であれば、革やコットンを使ったおもちゃも良いでしょう。ぬいぐるみ型、ロープと組み合わせた形などがあり、愛犬の好みや噛む力に合わせて選ぶのがオススメです。

噛み癖対策だけでなく、歯茎マッサージや歯垢除去の効果もあるので、愛犬の健康のためにもピッタリのものを見つけてあげてください。
噛まれたらリアクションをする それでも噛む場合は、「噛まれたらリアクションする」ことを意識します。「うわっ!」「痛いっ!」と反応して部屋から退出し1分程度待ちましょう。

少し大変ですが、噛むたびにこの動作を繰り返せば、「噛んだら飼い主がいなくなる」「噛んだら楽しくないことが起こる」と学習し、噛み癖を矯正できます。

注意点として、部屋の中に他の人がいて遊んでもらえる、おもちゃがあって1匹でも遊べると学習しません。また、リアクションする時も「やめて!」と大声で叱責すると、委縮して防衛のために噛むようになるので、少し驚かせる程度にしましょう。
グッズで「嫌な味がする」と思わせる方法も 4.噛み癖がある犬の飼い主がやりがちな「しつけの失敗例」 噛み癖改善のしつけがなかなかうまく行かないのは、やり方が間違っているからかもしれません。ここでは、噛み癖を直すときに飼い主がやりがちな間違ったしつけ方法を紹介していきます。 大声や体罰、天罰方式で叱る 叩く、怒鳴りつける、閉じ込めるなど、痛みや恐怖を与えてしつけるのは絶対にやめましょう。信頼を損ねるだけでなく、恐怖心から噛み癖が悪化し、手を上げただけで叩かれると感じて噛み付くようになる可能性もあります。 犬の要求を叶える 犬に甘すぎる態度もNGです。例えば、愛犬に「噛んでるおもちゃを離しなさい」と言っても聞かないときに、しょうがないなぁとそのまま与えてしまうと、愛犬は「噛んだらおもちゃをもらえる」と勘違いしてさらに噛む頻度が増すこともあります。

この場合は、愛犬がおもちゃを離すまで根気よく言い聞かせ、おもちゃを離したら、たくさん褒めてあげることで「噛むのをやめたら楽しいことがある」と学習し噛み癖がだんだんと改善されていきます。
5.まとめ 犬は本能的に噛む生き物ですが、人間と一緒に生きるマナーとして「噛んではダメ」と教える必要があります。まずは愛犬がなぜ噛むのか理由を探り、それを改善してあげましょう。

原因を改善しても噛み癖が直らないなら、おもちゃで噛む欲求を発散させてあげるのが効果的です。犬によって好きなおもちゃも異なるので、色々なものを試しながら、愛犬の好みに合ったものを見つけてあげてください。またしつけ用のスプレーやクリームを活用するのも良いでしょう。

犬用のおもちゃやしつけ用クリームは、犬の口に入る可能性があるため、安全性が非常に重要です。だからこそ、信用できるお店・メーカーのものを選ぶことをおすすめします。
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