猫がお腹を見せて寝転んでいる姿は、愛猫家の間で「へそ天」と呼ばれ、猫の非常に可愛らしい姿の一つとして知られています。愛猫が飼い主に気を許してお腹を見せるものと考えている人も少なくありませんが、実は必ずしもそうとは言い切れないのです。

愛猫の無防備な姿を可愛らしく思い、飼い主としてはついお腹を触りたくなるかもしれませんが、猫の側としては触られることを望んでいない可能性もあります。この記事では、愛猫が飼い主にお腹を見せる理由と、そのときの気持ちについて解説します。
1.なぜ猫はお腹を見せることがあるのか 愛猫と一緒に暮らしていると、時々、愛猫が飼い主にお腹を見せることがあります。本来、猫にとってお腹は骨がなく内臓も集まっている急所であり、基本的に他者に見せることはありません。にもかかわらず、飼い主の前でお腹を出している場合、猫は「この近くには自分に害を与える敵はいない」と判断している可能性が高いでしょう。ある意味では、飼い主に対して「自分はこの環境に安心している」と伝えていることになるため、飼い主としてもまんざら悪い気はしないかもしれません。 2.猫が飼い主にお腹を見せる際に考えられる理由 円滑な人間関係を構築するのが難しいのと同様に、愛猫の気持ちを100%理解するのも、飼い主にとってはなかなか難しいものです。しかし、飼い主にお腹を見せる理由については、ある程度予想を立てることができます。以下、猫が飼い主にお腹を見せる際に考えられる、主な理由について解説します。 飼い主への信頼感 先述した通り、猫にとってお腹は急所であることから、基本的には誰かに触れられないよう守っている場所といえます。そのような急所を安心して見せているということは、飼い主に対して強い信頼感を抱いていることが考えられます。 おねだり・甘えの気持ち 子猫は、母猫に対して甘えるためにお腹を出すことがあります。その名残からか、飼い主に構って欲しくて、愛猫が飼い主の前でお腹を出していることも考えられます。もし、愛猫がお腹を出して飼い主のそばにいる場合は、話しかけるなどして様子を見てみましょう。ゴロゴロ喉を鳴らしたり、お腹を見せながらくねくねと動いたりしている場合は、お腹以外の場所をなでてみるのも良いでしょう。このとき、直接お腹をなでるのはNGです。詳しい理由は後述しますが、お腹を触る場合は、愛猫と十分な信頼関係を築いた上で、どうしても必要な場合のみ触りましょう。 気温の問題 猫は、体温調節のためにお腹を出すことがあります。よく、縁側で日光に当たりながらお腹を出している猫を見ることがありますが、猫は寒い場所よりも温かい場所を好むため、日なたでお腹を出して身体を暖めていることも考えられます。逆に、気温が暑すぎるなどの理由から、お腹を出して熱を逃がしている可能性もあります。夏場に愛猫がお腹を出して寝ているのを見つけたら、エアコンなどで気温を調整してみましょう。 3.猫がお腹を見せる理由を誤解しないよう注意 猫がお腹を見せるのは、必ずしも飼い主を意識しての行動とは限らないため、飼い主は愛猫が「なぜお腹を見せているのか」を推測しなければなりません。愛猫がお腹を見せる場面に遭遇した際は、愛猫の気持ちを誤解しないよう、次の点に注意しましょう。 お腹を触らない お腹を見せている愛猫を見ると、飼い主としては「お腹を見せてくれているなら触ってもOKだろう」と判断しがちですが、これは基本的にNG行動です。猫の腹部は骨に守られていないことから、お腹を触ることで「攻撃された」と誤解して嫌がったり、飼い主を威嚇したりする可能性があります。 お腹を見せなければならない理由を考える ただお腹を見せているだけでなく、お腹を見せた状態のまま何かをしようとしている様子が見受けられる場合、他にお腹を見せる理由があるのかもしれません。例えば、背中をかくために床にこすりつけている場合や、興奮するような匂いを嗅いでしまった場合などが考えられます。飼い主は、愛猫の飼い主に対する気持ちを汲み取ろうとするのではなく、愛猫が“何をしたいからお腹を見せているのか”に着目して、状況把握に努めることが大切です。 発情期の可能性も メス猫が避妊手術をしていない場合、春から秋にかけて発情するタイミングがあり、オス猫へのアピールのため背中を床につけてコロコロと転がる仕草をすることがあります。普段より大きい声で鳴いたり、おしりを高く上げたりすることもあるため、普段の動きをよく観察してみましょう。 4.どうしても猫のお腹を触りたい場合は? 愛猫がお腹を出して寝ているときは、基本的にお腹を触らないのが無難です。しかし、猫の健康管理の観点からは「お腹を触られることに慣れてもらう」方が良い場合があります。愛猫がお腹を触られることに慣れていると、動物病院の触診時も安心して獣医師に任せられます。年齢とともに動物病院に行く機会も多くなることが想定されるため、愛猫が抵抗しにくくなるよう、優しく声をかけながら脇腹からゆっくりなでてあげましょう。ただし、しっぽを小刻みに振ったり耳をたたんだりした場合は、愛猫がストレスを感じている状況のため、すぐに触るのを止めましょう。 5.まとめ 愛猫が飼い主などにお腹を見せるのは、必ずしも「お腹を触ってもよい」という意味ではありません。飼い主に伝えたい気持ちがあったり、お腹を見せなければできないことがあったりして、お腹を見せていることが多いのです。無防備な愛猫の姿を見ていると、無意識にお腹に手が行ってしまうかもしれませんが、そうすると機嫌を損ねてしまうかもしれません。愛猫が自分にお腹を見せてくれた際は、室内の気温や愛猫の様子などを確認しつつ、愛猫の気持ちに寄り添って理由を考えるようにしましょう。
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