人間はよく耳掃除をしますが、猫は基本的に耳掃除を嫌がる生き物です。しかし、猫にとっての耳は、周囲の動きをキャッチして敵や獲物の存在を把握する重要な器官であり、人間よりも優れた聴覚を持っているとされます。

猫の種類によっては、定期的に耳掃除をしてあげた方が、健康管理の観点から安心できる場合もあります。この記事では、これまで猫の耳掃除をしたことがない飼い主向けに、猫の耳掃除のやり方について、頻度・使う道具・注意点などに触れつつ解説します。
1.猫の耳掃除はそもそもすべきなのか 基本的に、猫の耳は自浄作用があるとされ、頻繁に耳掃除をする必要はないものと考えられています。しかし、耳を定期的に掃除することは、愛猫の体調を把握する上で役に立つでしょう。汚れが目立たないうちから、毎日耳掃除をする必要はありません。しかし個体差はあるため、汚れがたまってきたと感じたら耳掃除をしてあげるとよいでしょう。犬が嗅覚に優れた動物だとしたら、猫は聴覚に優れた動物です。猫の耳は、単に音を聞き取るだけでなく、周囲のわずかな動きを把握するために機能しています。また、猫は耳の動きで自分の感情を表現するため、飼い主や仲間に自分の意思を伝える上で重要な器官といえます。そのため。普段から愛猫の耳掃除をしている人は、耳掃除をしない日であっても愛猫の耳の状態をチェックすることをおすすめします。 2.猫の耳掃除の基本的なやり方 猫の耳掃除を行う際は、人間のように綿棒や耳かきを使わず、シンプルにコットン・ガーゼなどを使って拭き取るのが基本的な方法です。猫の耳は繊細で、かつ耳の中は皮膚が薄いことから、力を入れず”なでる”感覚で汚れをとるのがポイントです。猫の耳掃除は、一般的に次のような流れで行います。
  • ①愛猫が落ち着くのを待つ
  • ②耳の内側が見えるように軽く引っ張る
  • ③湿らせたコットン・ガーゼを使い、見える範囲だけを優しく拭き取る
耳垢が溜まっていて、コットン・ガーゼで取り切れない場合は、猫用の耳洗浄液を使用する方法もあります。コットン等に洗浄液を含ませて耳の中に指を差し込み、届く範囲だけを拭うようにするとよいでしょう。ちなみに、飼い主の中には綿棒を使って猫の耳掃除をする人もいるようです。しかし、綿棒を使っているときに愛猫が頭を動かしてしまうと、それがもとで耳の中に綿棒が刺さることもあるため、できれば綿棒は使わない方が安心です。 3.猫の耳掃除で分かる健康状態 耳掃除をすることによって、愛猫の体調を把握する際に重要な情報が得られることもあります。愛猫の耳掃除中に、次にご紹介する症状が見られた場合は、かかりつけの獣医師に相談することをおすすめします。 耳が臭い 本来、健康的な猫は耳垢がほとんど出ないとされ、もちろん耳が臭うこともありません。よって、耳が臭い場合は何らかの病気が疑われます。湿度の高い時期は外耳炎を発症しやすく、耳垢がたくさん出たり強い臭いを発したりすることがあります。耳垢が茶色く発酵したような臭いがある場合は、マラセチア症も疑われるため、動物病院に連れていきましょう。 様子がおかしい ミミダニが寄生すると、猫はそのかゆさから頭を振ったりかいたりすることが多くなり、場合によっては後頭部などにかき傷ができることもあります。もし、そのような猫の耳垢が「乾いていて黒い」ものなら、ミミダニの疑いがあります。アレルギーによるかゆみの場合は、耳を足でかいたり床でこすったりする子もいます。愛猫が普段よりも激しく頭を動かしている場合、耳垢の色や状態をよく確認してみましょう。 赤み・傷がある 皮膚が赤くなっていたり、耳の片方だけに傷があったりする場合、細菌感染やケガなどが疑われます。黄色い耳だれが出ている場合は、速やかに動物病院に連れていきましょう。 4.猫が耳掃除を嫌がっている場合はどうする? 耳掃除をしようと思っていても、愛猫がそれを嫌がって耳を触らせようとしない場合、どうすればよいのか悩んでしまうかもしれません。スムーズに耳掃除に移行するためには、飼い主が猫の気持ちを把握した上で行動することが大切です。 猫の耳の動きに注目する 猫が耳をピンと立てている(集中している)とき、耳を動かしている(周囲をうかがっている)とき、耳が横に倒れている(近づいて欲しくない)ときは、猫の動きを妨げないようにしましょう。耳を後ろに倒しているときは、飼い主に甘えている場合があるので、そのタイミングで耳掃除できるかどうか試してみてください。 普段から耳を触ることを意識する 猫の性格によっては、飼い主に耳を触られるのが嫌だというケースも考えられます。このような場合は、普段触れ合う中で耳を触る機会を増やし、愛猫の抵抗感を減らすようにしましょう。 耳のトラブルを抱えやすい猫種に注意する 自分が飼っている猫が長毛だったり、垂れ耳だったりする場合は、耳の病気になりやすい傾向があります。気になる場合は、獣医師に相談して普段のケア方法を確認しておくと良いでしょう。 5.まとめ 猫の耳掃除を頻繁に行う必要はありませんが、定期的に耳をチェックすることで、愛猫の体調不良に気付きやすくなるでしょう。愛猫が落ち着いてから、湿らせたコットン・ガーゼを使い、優しく拭いてあげてください。耳掃除の際に耳が臭かったり、普段と比べて頭を動かすことが多かったりする場合は、念のため耳垢を確認することをおすすめします。愛猫が耳掃除を嫌がる場合は、普段の触れ合いの中で少しずつ耳を触る機会を増やすと、耳掃除に対する抵抗感を減らすことにつながります。
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