水分補給は、多くの動物にとって重要な問題であり、猫もまた例外ではありません。
しかし、一般的に猫は少量の水分で満足できる動物のため、人間と同じようなペースで水を飲ませる必要はありません。

しかし、容器に入れた水がほとんど減らない日々が続いている場合、多くの飼い主は愛猫の病気や体調不良が心配になるはずです。この記事では、愛猫が水を飲まなくなった際に考えられる主な理由や、具体的な対処法について解説します。
1.猫が水をあまり飲まない理由 犬などの動物に比べると、一般的に猫はあまり水を飲まない傾向にあります。理由の一つとしては、猫の祖先が水の少ない砂漠地帯で暮らしていたことがあげられます。猫の腎臓機能は、砂漠地帯に適応する必要性からか、水をたくさん飲まなくても生きていけるよう発達しています。健康な猫が一日に必要とする水の量は体重1kgあたり約30~50mlとされ、水を飲む以外にもウェットフードなどから水分を摂取していれば、必要十分な水分を摂取している猫は多いものと推察されます。しかし、猫が長期にわたり水分を摂らないでいると、尿石症や尿路疾患を発症する恐れがあります。よって、普段から愛猫が水分不足にならないよう、飼い主は愛猫を見守らなければなりません。 2.猫が水を飲まないとどうなる? 猫が水を飲まないでいると、どのような症状が見られるのか、飼い主としては気になるところです。以下、猫が水分不足になったときの症状や、健康上のリスクについて解説します。 目ヤニ・鼻水が目立つ 水分が不足すると、猫の口・目などの粘膜が乾燥し、免疫力が低下する恐れがあります。具体的には、目ヤニや粘度の高い鼻水が出たり、口内炎ができやすくなったりするなどの症状が多く見られます。 尿が普段と違う 普段よりも尿の量が少なかったり、色が濃かったりする場合は、水分が不足しているサインです。尿の臭いもきつくなっていることが多いため、違いが見られるようなら早めに動物病院で診てもらうとよいでしょう。 皮膚や歯茎にも注意 首の皮膚をつまんで離したとき、すぐ元に戻らなくなる場合、猫が脱水症状に陥っている可能性があります。また、歯茎を指で圧迫した後、なかなか赤色に戻らないことが多いので、症状がある場合は獣医師に相談することをおすすめします。 3.愛猫が水を飲まない場合の対処法 愛猫に水を飲ませたいと思っているものの、なかなか飲んでくれない場合は、水を飲んでもらえるような工夫が必要です。以下、具体的な対処法を水・器・食事の3要素に分けて解説します。 与える水を工夫する 猫の水の好みはその子によって異なり、中には水道水のカルキ臭(塩素消毒により生じる臭い)を嫌う子がいます。水道水を飲もうとしない子には、水を煮沸したり、魚・鶏肉のゆで汁を足したりすることで、水道水の臭いを緩和して与えてみましょう。また、同じ水を器に放置しておくと、雑菌によって嫌な臭いが生じてしまうことがあります。愛猫に飲ませる水を器に入れる際は、常に新鮮な水を用意することをおすすめします。 猫の興味を引く器を選ぶ 一口に猫用の水の容器といっても様々な種類があり、素材でいえばプラスチック・ガラス・陶器などがあげられます。比較的安価で手に入りやすいプラスチックを選ぶ人は多いかもしれませんが、プラスチックは臭いが付きやすいなどのデメリットもあるため、陶器製の容器を選ぶことをおすすめします。陶器は他の容器に比べて臭い・冷たさが少ない傾向にあり、猫に水を飲ませるのには向いているタイプの容器の一つです。また、猫はたまっている水よりも流水を好む傾向にあるため、自動給水器を使うのもおすすめです。 水分が含まれる食事を与える 水や器を工夫しても、愛猫がなかなか水を飲まない場合は、水分が含まれる食べ物を与えてみましょう。ドライフードからウェットフードに切り替えたり、食事をふやかして与えたりすることで、愛猫が無理なく水分を摂取できます。 4.猫に飲ませるのにおすすめの水は? 愛猫の健康を考えて水を与える場合、きちんと消毒された水道水を飲ませた方が、健康管理の観点からは安心です。しかし、愛猫がどうしても嫌がる場合は、できるだけ愛猫が好む水を飲ませられるよう工夫してみましょう。水道水を飲ませるにあたって検討したいのが、カルキ臭の影響を減らすことです。具体的には、木炭・竹炭を水道水に入れるなど、カルキ臭を消してから水道水を飲ませる方法が考えられます。しかし、色々工夫しても愛猫が水を飲んでくれない場合は、軟水のミネラルウォーターや水道水よりもミネラル成分が少ない「超軟水」を与える方法もあります。商品によってはペット向けにパッケージングされているものもあるため、必要に応じて選びたいところです。 5.まとめ 一般的に、猫はたくさんの水を必要としない動物とされますが、まったく水を飲まずに生活するのは問題があります。長期にわたり水を飲まないでいると尿石症などを発症するリスクもあることから、愛猫が水を飲んでいない様子なら、飼い主としても何らかの対策が求められます。水そのものの臭いなどが嫌で水を飲まない子もいるため、水を与える容器を工夫したり、水をこまめに変えたりして対策を講じることが大切です。可能であれば、猫が嫌がる臭いを改善した水道水や、ミネラル成分が少ない水を与えてみましょう。
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