犬を飼っている飼い主の中には、愛犬の歯磨きをどうすればよいのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。本来、犬には歯磨きをするという習慣がないことから、飼い主が歯ブラシを歯に当てようとすると嫌がる犬の方が多いはずです。

しかし、愛犬が嫌がるからといって歯磨きをしないのは、愛犬の健康を考える上で問題となります。この記事では、歯磨きが嫌いなワンちゃんのためにできる、愛犬用のデンタルケアの方法について解説します。
1.犬が歯磨きを嫌がる理由 もともと犬は歯磨きの習慣がないため、子犬のうちから歯磨きに慣らしているケース以外は、あまり歯磨きを好まない個体が多いかもしれません。犬が歯磨きを嫌がる理由としては、主に次の2つの理由が考えられます。
  • 歯磨きという行為に恐怖を感じている
  • 口の中が痛い
口や口内を触られる経験が少ない犬は、いくら飼い主とはいえ「歯ブラシという未知の道具で歯を磨かれる」という行為が怖いものと推察されます。逆に、これまでは問題なく歯磨きができていたのに、ある日突然歯磨きを嫌がるようになった場合は、愛犬が口の中をケガしている・歯周病にかかっているなどの疑いがあるため注意が必要です。 2.愛犬用の基本的なデンタルケア 愛犬のデンタルケアのためには、他のどんな方法よりも、まず「歯磨き」をきちんとできるようにすることが大切です。愛犬に歯磨きは怖くないと教えるためには、次のステップを踏むのが良いでしょう。
  • おやつを食べさせながら口周りを触る
  • おやつを持ち「待て」をさせ、歯茎に触れてからおやつを与える
  • 歯ブラシ・おやつを持ち「待て」をさせ、歯茎に触れてから歯ブラシを持った手でおやつを与える
  • 湿らせた歯ブラシ・おやつを持ち「待て」をさせ、口唇をめくり歯ブラシで歯に触れ、良くできたらおやつを与える
  • 湿らせた歯ブラシ・おやつを持ち「待て」をさせ、歯をタッチした後で犬歯から奥歯へと無理のない範囲でブラッシングする
ポイントは、歯磨きに至るまでの動きを分解し、一つひとつクリアしていくことです。それぞれのステップにつき、1週間ほど時間をかけて慣らすようにしましょう。 3.歯磨きが苦手な愛犬用のデンタルケア 歯磨きができるようステップを踏もうとしても、なかなか歯磨きが上手くいかない場合、愛犬にストレスを与えることなく歯を磨く方法も検討してみましょう。以下、愛犬が歯磨きを嫌がる場合に役立つデンタルケアグッズをご紹介します。 歯磨きガム(デンタルガム) 犬用の歯磨きガムは、デンタルケアの中でも比較的ポピュラーなものに分類されます。歯磨きガムは、噛むことで歯垢をそぎ落とす効果が期待でき、歯ブラシでも磨きにくい奥歯に溜まった歯垢を落とすのにも役立つため、歯磨きの磨き残し対策としても重宝します。 歯磨きペースト 歯磨き自体はできるものの、長時間の歯磨きが難しい場合は、歯磨きペーストを使って愛犬の抵抗感を減らすのも良いでしょう。基本的には、歯ブラシに付けてブラッシングするのに用いますが、舐めるだけでも一定の効果が期待できます。 液体デンタルケア(液体歯磨き) 歯磨きが苦手なペット用に開発された液体デンタルケアは、飲み水に混ぜて飲ませるだけで一定の効果が得られるとされます。こちらは“歯磨きに慣れるまでの間”のデンタルケアとしても活用したいところです。 デンタルケアおもちゃ 犬用おもちゃの中には、嚙みながら遊ぶことで歯の汚れが取れるものもあります。遊ぶだけで手軽にデンタルケアできるメリットがあるため、歯磨きと併用することをおすすめします。 4.愛犬のデンタルケアにおける注意点 愛犬のデンタルケアを適切に行うためには、以下の点に注意が必要です。デンタルケアについて少しでも不安があれば、獣医師に相談することも忘れないようにしましょう。 最初は「3日に1回」のペースで 歯垢が歯石になるとされる時間は「3日間」のため、まずは最低でも3日に1回デンタルケアを行いましょう。歯ブラシを歯に当てられない場合は、歯磨きガムや液体デンタルケアを使うようにして、ケアそのものは怠らないようにしたいところです。 「ご褒美」と一緒に 歯磨きに慣らす際におやつを与えるのと同様、何らかのご褒美を与えながら歯磨きを続けることで、やがて愛犬の中で「歯磨き=ご褒美」という公式が出来上がるはずです。磨き終わった後で褒めるなどして、喜んで歯を磨くようになるまで根気よく慣らしていきましょう。 一度にすべての歯を磨こうとしない 長時間の歯磨きは、愛犬に負担をかけることにつながるため、短時間で磨き終えるように心がけましょう。愛犬の気分やコンディションによっては、すべての歯が磨けない日もあるはずなので、今日は前歯の日・明日は奥歯の日といったように、日を分けて3日以内に磨き切るイメージで継続することが大切です。 5.まとめ 歯を磨く習慣がない犬にとって、歯磨きは少なからず負担を感じる行為と考えられるため、飼い主はその点を理解した上で慣らしていく必要があります。トレーニングを行う際は、口周りを触る・歯茎に触れる・歯ブラシで歯をタッチするといったように、歯磨きに至るまでの動きを分解するとスムーズです。訓練しても歯磨きがスムーズに進まない場合は、歯磨きガムや液体デンタルケアなどを活用し、少しでも歯や口内のコンディションを良い状態に保ちましょう。1回ですべての歯を磨き切れないことも多いため、前歯を磨く日・奥歯を磨く日といったように日を分けて磨くと、愛犬の負担を減らすことにつながります。
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