本来猫はきれい好きな動物のため、愛猫をなでていてフケが気になった場合、病気の兆候なのではないかと心配になる方も多いのではないでしょうか。生き物である以上、フケが生じること自体は問題ないものの、中には放置すべきでない例もあります。

例えば、フケがベタベタしていると感じたり、愛猫が妙に痒そうにしていたりする場合は、何らかの理由で皮膚炎を引き起こしている可能性も考えられます。この記事では、猫のフケが生じる主な原因や注意すべき症状、防止策などについて解説します。
1.猫のフケが出る一般的な原因 猫の体を触った際にフケが目立つ場合、大きく分けて次のような原因が考えられます。
不十分なグルーミング 肥満や関節痛などの理由から、グルーミングが不十分になってきている
乾燥 空気の乾燥に伴い皮膚が乾燥し、フケが増えてしまう
ストレス 何らかの理由でストレスを感じている結果、一時的にフケが多く出てしまう
年齢 高齢になるにつれ、皮膚が乾燥したりグルーミングが不足したりして、フケが増えてしまう
栄養が足りていない 病気などの理由から食欲が不足しているなど、愛猫が必要な栄養を摂れていない環境では、フケが増えることがある
フケが増えた背景には、このような原因が隠れていることがあります。よって、普段よりも愛猫のフケが多くなったと感じたら、かかりつけの獣医師などに相談することをおすすめします。 2.猫の正常なフケ・異常なフケの違いとは 一般的に猫のフケと呼ばれているものは、猫の古くなった皮膚の「角質細胞」であり、健康な猫であればおよそ3週間で古い角質がフケとしてはがれ落ちるとされます。人間でいうところのターンオーバーに似たものであり、フケが出ること自体は生理現象の一つであることから、過度に心配する必要はないと考えられています。しかし、猫がこまめにグルーミングをしているとフケが目立つケースは少ないため、愛猫の全身に過剰にフケが出ている場合、何らかの病気にかかっている可能性は否定できません。また、本来フケはカサカサしているものですが、ベタベタしたフケが出ている場合は、こちらもやはり病気にかかっている可能性があるため注意が必要です。 3.猫の異常なフケが出る「皮膚炎」 愛猫の全身に過剰な量のフケが出ていたり、具合が悪そうにしていたりする場合は、皮膚炎を引き起こしている可能性があります。以下のような症状が見られた場合は、早急にかかりつけの獣医師に相談しましょう。 アレルギー性の皮膚炎 猫も人間と同様、食べ物に含まれるたんぱく質や、ノミ・ダニ、ハウスダスト、花粉といったものがアレルゲンとなり、皮膚炎を引き起こしてしまう可能性があります。痒みを伴う場合、皮膚をかき壊してフケが増える悪循環に転じる恐れがあるため、愛猫が痒そうにしているのを見つけたら、獣医師から処方された薬を塗るなど、何らかの形で対処する必要があるでしょう。 寄生虫による皮膚炎 ノミ・ダニは、寄生虫として猫の体に付着することがあり、そのせいで皮膚炎が起こっていることがあります。特によく知られているケースとしては、ネコツメダニの寄生によって発症する「ツメダニ症」があげられ、寄生した部位に大量のフケが出る傾向にあるとされます。 真菌(カビ)による皮膚炎 猫の場合、皮膚糸状菌(ひふしじょうきん)による皮膚炎に感染する個体を見かけることが多く見られます。免疫力の低い子猫・シニア猫によく見られる皮膚炎で、こちらは他の動物や人にうつってしまうリスクもあるため、早期の治療が必要とされます。 4.飼い主ができる猫のフケの対処法 獣医師に相談した結果、特段皮膚炎の兆候は見られなかったとしても、フケが気になる飼い主は多いはずです。以下、飼い主の側でできる、愛猫のフケが目立ちにくくなるような対策について解説します。 コミュニケーション改善 愛猫が何らかのストレスを感じている場合は、できるだけ愛猫がのびのびと過ごせる環境を整備することが大切です。スキンシップはもちろん、キャットタワーを用意したり、トイレを変えてみたり、愛猫に負担がない範囲で環境に変化を付けてみましょう。 ブラッシング・シャンプー 猫用ブラシを使い、愛猫にブラッシングをしてあげることで、血行促進と皮膚の健康促進が期待できます。猫の性格によっては、ブラッシングやシャンプーを嫌がることも考えられるため、短い時間から少しずつ慣らしていくのがよいでしょう。可能であれば、定期的に猫用シャンプー・リンスを使って体をキレイにすることが望ましいとされます。 キャットフードの変更 栄養価が高いキャットフードを選んでも、愛猫の体に悪影響を及ぼすのであれば意味がありません。これといった原因が特定できない場合は、動物病院などに相談した上で、キャットフードを変更するのも一手です。 5.まとめ 愛猫のフケがいつもより多いと感じた場合、その裏には何らかの問題が隠れているかもしれません。フケそのものは、健康な猫であっても見つかる場合がありますが、あまり目立っていたり、フケがベタベタしていたりする場合は、病気などの可能性が疑われます。特に過剰な量のフケが出ていたり、愛猫が具合悪そうにしていたりする場合は、皮膚炎などの病気にかかっている恐れもあるため、早めにかかりつけの獣医師に診てもらいましょう。皮膚炎と診断されなかった場合は、より入念に愛猫とコミュニケーションをとったり、ブラッシングをしたりすることで、症状が改善されるかもしれません。
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