動物愛護法は、人間社会の中で動物が「愛護すべき存在」であることを示した上で、動物が人間に被害を及ぼさないよう飼い主などを律するための法律です。ペットを含む動物が好きな人、動物愛護のために行動を起こしたい人にとっては、重要な法律の一つに数えられます。

また、人間と一緒に生活するには馴染まない動物に関しては、動物愛護法で「飼ってはいけない」と定められています。この記事では、人間社会における人間と動物の望ましい関係性を法文化した動物愛護法について、最近の法改正に触れつつ解説します。
1.動物愛護法とは 動物愛護法(動物愛護管理法)とは、正式名称を「動物の愛護及び管理に関する法律」といい、人が飼っているすべての動物を対象に、動物の虐待防止・人間と動物の共生を目指すためにつくられた法律のことです。動物愛護法の目的としては、大きく次の2つがあげられます。
  • 動物を愛護することを通じて、動物を「命ある大切な存在」として受け入れられる、心豊かな社会を築くこと
  • 飼い主が動物を正しい方法で飼うことにより、動物による人への危害や周辺への迷惑を防止すること
また、動物愛護法における愛護動物には、次のようなものが該当します。
  • 人に飼われている哺乳類、鳥類、爬虫類に属する動物
  • 牛、馬、豚、めん羊、やぎ、犬、ねこ、いえうさぎ、鶏、いえばと、あひる
※(牛等については飼い主の有無を問わない) 2.動物愛護法の主な内容や改正を簡単におさらい 動物愛護法で定められている基本的な内容と、最近の改正点は、概ね以下の通りです。 動物愛護週間 動物愛護法では、毎年9月20日~26日を動物愛護週間として定めており、動物愛護の理解・関心を深めてもらうことを目的としています。 飼い主の責任 動物愛護法において、動物の飼い主は、動物が人に危害を加えたり迷惑をかけたりしないよう、次のことを実施するよう定められています。
  • 不妊去勢手術
  • 感染症予防
  • 動物が自分のペットであることを明らかにするための措置
飼養及び保管等のガイドライン 動物は、動物愛護法の中で次の4種類に分類されています。
  • 家庭動物
  • 展示動物
  • 畜産動物
  • 実験動物
また、それぞれの動物の健康と安全や、人への危害や迷惑を防止するためのガイドラインも、動物愛護法の中で定められています。 周辺生活環境の保全 動物の飼育が適正でないことにより、周辺の生活環境が損なわれている場合は、飼い主に必要な措置を講じるための勧告・命令がなされます。この規定は、動物を不適切に飼い養うのを防ぐために設けられたものです。 ペットとして飼えない動物の種類 国が定めた危険動物をペットとして飼えないことも、法律で定められています。具体的には、トラ・クマ・ワニ・マムシといった動物が該当し、動物園・試験研究などで飼う場合は所定の許可が必要です。 2019年の改正点 最近の改正点としては、2019年の改正が重要なポイントになります。代表的な義務の一つとして「マイクロチップの装着」があげられ、ブリーダーやペットショップなどの犬猫販売業者は、販売前にマイクロチップを装着し、国が運営するシステムに所有者情報を登録することが義務化されています。その他、動物虐待の罰則強化、所有者不明の犬猫を都道府県が引取り拒否できる規定などが新たに設けられています。 3.動物愛護法の罰則を簡単に紹介 動物愛護法において、愛護動物を虐待したり捨てたりすることは犯罪とされ、違反すると動物愛護法第44条に基づき懲役・罰金に処せられます。主な量刑としては、次のようなものがあげられます。<5年以下の懲役又は500万円以下の罰金>
愛護動物をみだりに殺したり傷つけたりした場合
<1年以下の懲役又は100万円以下の罰金>
●愛護動物に対し、みだりに餌や水を与えずに衰弱させるなど虐待を行った場合
●愛護動物を遺棄した場合
<6ヶ月以下の懲役又は100万円以下の罰金>
●人の生命、身体又は財産に害を加えるおそれがある動物を許可なく飼ったり保管したりした場合 など
4.「簡単に」考えてはいけない動物愛護 法律で規定されている内容を見る限り、自分が愛犬家・愛猫家であると自覚している人の多くは、自分が罰則を犯すリスクは低いと考えているかもしれません。しかし、ペットが寿命を迎えるその日まで、責任を持って面倒を見続けるためにも、安易な気持ちでペットを飼うことは控えるべきです。以下、ペットを飼う際に求められる覚悟について、主なものをいくつかご紹介します。 ペットを育てられる体力はあるか 特に犬を飼った場合にいえることですが、ペットを健康に育てるためには、毎日散歩に連れて行くなど体力を要するコミュニケーションが必須です。他の人に迷惑をかけないよう、しつけも徹底する必要があり、ペットが高齢になれば介護のことも考えなければなりません。このように、ペットと暮らすためには体力が求められる場面が多いため、病弱であることを自覚している人は、本当に自分がペットを育てられるかどうか検討しましょう。 ペットにかかるお金を用意できるか ペットは毎日ご飯をあげる必要があり、トイレの処理も行うのも飼い主です。アレルギーがあれば食事に気を遣い、病気になれば動物病院に連れて行くこともあります。当然ながらお金もかかるため、ペットの健康的な生活に必要なコストを負担できない場合は、安易にペットを購入すべきではありません。 自分に何かあった後のことを考えられるか 飼い主が一人でペットを飼育している場合、飼い主が入院するようなことがあると、ペットは自力でご飯を食べられない状況に陥るリスクがあります。例えば、愛犬が犬小屋につながれたまま数日が経過するようなことは、絶対に避けなければならないため、万一のことに備えて飼育を頼める人を探しておくことも大切です。 5.まとめ 動物愛護法は、人間による動物の虐待防止・人間と動物の共生を目指し制定された法律です。具体的には、飼い主による動物の適切な飼育、周辺環境への配慮、危険動物の飼育制限などに触れています。罰則は決して軽いものではなく、動物をみだりに殺したり傷つけたりした場合、5年以下の懲役に処される場合があります。ペットを飼う際は、寿命を迎えるまで責任を持って一緒に過ごせるよう、自分の体力、ペットにかかる費用、万が一の際の対応などを検討した上で決断しましょう。
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