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基本を押さえよう!犬の耳掃除の正しいやり方と頻度・注意点
犬は耳掃除がそれほど必要ないとはいえ、定期的なチェックやケアで耳のトラブルを防ぐことは大切です。また、間違ったケア方法ではかえって耳を傷つけてしまったり、時にはトラウマを与えてしまうことも。
この記事では、犬の耳掃除の頻度や方法、覚えておきたい注意点のほか、耳垢の状態からわかる病気の兆候も紹介していきます。せっかく耳掃除するなら、気持ちのいい時間にしてあげましょう。
目次
1.基本はこれでバッチリ!犬の耳掃除の頻度と方法
耳掃除の頻度
基本の耳掃除方法
2.犬の耳掃除でやってはいけない5つのこと
綿棒や耳かきは使わない
消毒用アルコール・ウェットティッシュ類は使わない
自己判断で耳道内を掃除しない
耳毛は抜かない
過度に耳掃除しない
3.犬が耳掃除を嫌がるときはどうする?
4.犬の耳掃除で分かる病気の兆候
健康な時の耳垢の状態
耳垢が黒/茶色でべっとりしている・異臭がする
耳垢が黄色でドロッとしている・膿の臭いがする
耳垢が赤黒い・強いかゆみがある
耳掃除を異常に嫌がる
5.まとめ
1.基本はこれでバッチリ!犬の耳掃除の頻度と方法
まずは犬の耳掃除の頻度と正しいお掃除方法からみていきましょう。耳掃除の頻度は犬種によって違うというのもポイントです。
耳掃除の頻度
・耳汚れのチェックは週1回程度
・耳掃除は月1~2回程度
しっかりした耳掃除は月に1~2回程度で十分ですが、耳の汚れチェックは週1回程度で行って、汚れがあればそのつど軽くふいてあげます。お散歩の後や夜寝る前などタイミングを決めて習慣にすると良いでしょう。
また、犬の耳掃除の回数は基本を押さえつつ、犬種の特性にあわせて調整することも大切です。例えば、通気性のいい立ち耳の犬種は汚れがたまりにくいため、あまり汚れていなければ無理に耳掃除をする必要はありません。
反対に、通気性の悪い垂れ耳の犬種やフレンチブルドックのような脂漏体質の犬種、アメリカン・コッカースパニエルのような耳垢腺が過形成を起こしている犬種は、耳の中が汚れやすいのでこまめにチェックして月1~2回は耳掃除をした方が安心です。
基本の耳掃除方法
犬の耳は自浄作用があり、目に見える範囲の汚れを優しく拭き取ってあげるだけでOKです。奥の汚れは手前に押し出されてくるため無理に奥まで掃除する必要はありません。
具体的な手順は以下の通りです。
① リラックスさせて、耳に触れても嫌がらないか確認する。
② お湯や耳専用クリーナーをコットンに染み込ませ、目に見える範囲の汚れを優しく拭き取る。
③ 終わったら愛犬をたくさん褒めて、お気に入りのおもちゃやオヤツをあげる。
耳の奥は触らないように、なるべく短時間で済ませるのがポイントです。ワンちゃんが「耳掃除はうれしい時間」だと思えるように、リラックスやご褒美をきちんと考えてあげることが大切です。
2.犬の耳掃除でやってはいけない5つのこと
犬の耳はとてもデリケートです。耳掃除は皮膚を傷つけたり、外耳炎を引き起こしたりする可能性もあります。人の耳と同じように考えず、注意事項を守って行いましょう。
綿棒や耳かきは使わない
犬の耳掃除で使う道具は基本的にコットンのみです。綿棒や耳かきを使うと耳の中を傷つけたり、耳垢を奥に押し込んで外耳炎を引き起こす原因にもなります。
消毒用アルコール・ウェットティッシュ類は使わない
消毒用アルコールは雑菌まできれいにしてくれるイメージがあるかもしれませんが、消毒作用が強すぎて危険です。肌のバリア機能を低下させる、皮膚を保護している常在菌まで消してしまうなどの恐れがあるため絶対に使用してはいけません。
また、赤ちゃんのおしりふきやウエットティッシュも、防腐剤や洗浄剤など犬にとって安全とはいえない成分が含まれている可能性があるので、使用は控えたほうがいいでしょう。
自己判断で耳道内を掃除しない
耳の奥まできれいにできる注入タイプのイヤークリーナーやイヤーローションも販売されていますが、ほとんどの犬には不要なものなので、かかりつけ医の指導以外で使用しないようにしましょう。
奥の汚れは自浄作用で出てくるので、無理に掻き出すような耳掃除は返ってトラブルの原因になります。また、耳に炎症があったら悪化させてしまうかもしれません。
特に老犬や子犬への使用は控えましょう。注入式のイヤークリーナーは犬に顔をブルブルさせて汚れと注入した薬液を排出する仕組みですが、顔ふりがうまくできない老犬や子犬は耳の中に薬液がとどまってしまう恐れがあるのです。
耳毛は抜かない
耳の入口辺りに生えている耳毛は、外から汚れが侵入しないように耳を守る役目を持っています。よほど汚れがひどい場合以外は抜かないようにしましょう。
どうしようもなく抜く判断をする場合は、グルーミング(トリミング)サロンなどのプロに任せた方が安心です。耳毛を抜くときは痛みがあるうえ、素人が行うと耳道を傷つけて炎症を引き起こす可能性があります。
過度に耳掃除しない
そこまで汚れていないのに過度に耳掃除をすると、バリア機能が破壊され、かえって耳トラブルを引き起こすことになりかねません。
また、奥の耳垢を頑張って取ろうとすると、汚れを奥まで押し込んでしまい本来ある自浄作用がうまく機能しなくなって外耳炎になるケースもあり得ます。耳掃除は月1~2回までという目安を守り、気になる場合は軽くふく程度におさめましょう。
3.犬が耳掃除を嫌がるときはどうする?
犬の耳には自浄作用があるため、嫌がるようであれば無理に耳掃除をする必要はありません。
耳の汚れがひどくてどうしても掃除をしたい場合は、おやつを与えながら少しずつ耳掃除をするのも手です。また、慣れていないワンちゃんなら段階をふんで慣らしてあげることから始めましょう。
それでも嫌がる場合は、動物病院やグルーミング(トリミング)サロンに連れていきプロに任せるのがいいでしょう。嫌がる理由や気持ちよく掃除させてもらえるコツがわかるかもしれませんよ。
4.犬の耳掃除で分かる病気の徴候
ワンちゃんの耳の病気は、耳垢の状態や耳の臭いに表れます。健康な状態とトラブルがある時の様子を覚えて耳掃除のときにチェックしましょう。
健康な時の耳垢の状態
犬の健康な耳垢は、黄色みがかった白色で、量も少なく臭いやベタつきもないのが特徴です。特にトラブルがなければ耳の中の赤みやかゆみなどもありません。
耳垢が黒/茶色でべっとりしている・異臭がする
耳垢が黒や茶色でべっとりしている場合は、マラセチア性外耳炎や細菌性外耳炎にかかっている可能性があります。
これらの真菌は耳垢の蓄積やアレルギーによる炎症などで耳の中の環境が変化することで増え、発症すると頭を頻繁にふる、耳をかくなどかゆみを訴える症状が出できます。
耳垢が黄色でドロッとしている・膿の臭いがする
耳垢がドロっとした黄色で膿の臭いがする場合は、耳の中の皮膚が細菌に感染している可能性があります。症状が進行すると耳から膿がでる場合もあり、強いかゆみや痛みが特徴です。
放置すると外耳炎から中耳炎、内耳炎へと進行し、悪化すると首が片方に傾く、同じ方向に回るなどの神経症状が現れます。
耳垢が赤黒い・強いかゆみがある
耳垢が赤黒く、強いかゆみもあるようならミミダニ症かもしれません。ミミダニ症は0.5㎜程のミミヒゼンダニが外耳道に寄生し、かゆみや臭いを発生させる感染症で、赤黒い耳垢は吸血したミミヒゼンダニのフンです。
ほかの犬との接触で感染することが多く、完治には数回の治療が必要となります。
耳掃除を異常に嫌がる
耳垢の状態に関わらず、愛犬が異常に耳掃除を嫌がる場合は病気を疑いましょう。
犬の耳の病気は外耳炎や中耳炎が代表的ですが、強いかゆみや痛みを伴うため、耳を触られるのを極端に嫌がる様子みられます。外耳炎・中耳炎は放置することで内耳炎に進行し、感覚障害を引き起こすケースもあります。早めに受診しましょう。
5.まとめ
犬の耳のケアは、汚れチェックを週1回程度、耳掃除を月に1~2回程度を目安に行います。
犬の耳には自浄作用があるため、耳掃除は目に見える範囲の耳垢を優しく拭き取るだけでOKです。耳かきや綿棒、アルコールティッシュなどは使用せず、お湯や耳掃除専用クリーナーを染み込ませたコットンで行いましょう。
犬の耳垢が赤黒い、臭い、ドロッとしている、ひどく嫌がるなどの症状があれば感染症を引き起こしている可能性が高いので、かかりつけの動物病院で見てもらいましょう。
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