外に出たがる愛猫にお困りの方に向けて、その理由と対処法、脱走を防止する対策を紹介していきます。 ドアや窓の前に張り付いて外に出たがる猫は多いですよね。ずっと室内飼いで外の世界を知らない子でも出してくれと要求することがあります。あまりに出かけたがるので我慢させるのがかわいそうになってくるかもしれません。

実際に、室内飼いの猫を外に出すとどのようなデメリットがあるのでしょうか?

そこで今回は、外に出たがる愛猫にお困りの方に向けて、その理由と対処法、脱走を防止する対策を紹介していきます。
目次
1.猫はなぜ外に出たがる? 室内飼いの猫が外に出たがるのにはどんな理由があるのでしょうか?
ストレス発散 屋内で退屈していると溜まったストレスを発散できるため外に出ようとするかもしれません。猫は太陽の光を浴びてリフレッシュするのが好きなので、陽の照った日には出かけたがるでしょう。 また、引っ越しの後や新しい家族が加わったとき、季節の変わり目にストレスを感じ、外に刺激を求めることがあります。
自分の縄張りの確認 外に縄張りを持っていると確認のために出たがるようになります。一度でも外出の経験があると、行った場所を自分のテリトリーと認識し、縄張りを維持するために見回ろうとするのです。 他の猫が侵入しているのを見かけた場合は、追い出そうとして必死に外に出たがるでしょう。
鳥や虫の捕獲 猫はとても好奇心旺盛な生き物なので、鳥や虫を捕獲しようと窓をガリガリすることがあります。ハンターとしての本能もあり、外で動くものを目にしたら飛びかからずにはいられないのです。 特に、屋外で生活した経験がある猫はその刺激が忘れられず、出たがることも多いでしょう。
異性への求愛 去勢・避妊をしていない猫は、発情期に相手を求めて出かけようとします。 家の中にいるメスは発情が始まると落ち着きがなくなり、外に行ってオスを惹き付けようとするでしょう。オスの場合は、近くにいるメスのフェロモンに反応して出たがることがあるようです。
2.猫を外に出しても良い? 猫があまりにも外に出たがると「出してあげた方がいいのでは?」と考えてしまいますが、今後も室内で飼っていくつもりなら、安易に許してはいけません。一度でも出してしまうとその場所も縄張りとみなし、見回りに行けないとストレスを感じるようになります。 また、猫にとって外の世界は危険がいっぱいです。交通事故や他の動物とのケンカで命に関わるケガを負うかもしれません。ノミ・ダニ・寄生虫・病原菌への感染といった危険もあります。去勢・避妊前だとメスの取り合いや妊娠の可能性も考えられるでしょう。 猫の健康を維持して長く一緒に過ごすためには、できる限り室内飼いにすることをおすすめします。
3.猫が外に出たがるのをやめさせる方法 飼っている猫が出かけたいと要求してくる場合はどうすればいいのでしょうか?ストレスにならないように、外に出たがるのをやめさせる方法を紹介します。
遊びでストレスを発散する 退屈で外の刺激を求めている場合は、遊びでストレスを発散してあげましょう。室内でも十分な刺激があれば出かけたい気持ちは解消されるはずです。 おもちゃを使って一緒に遊んだり、キャットタワーや動くおもちゃを置いて自分で遊べる環境を作ったりするといいでしょう。
おやつで気を紛らわせる 猫は食べるのが大好きなので、お気に入りのおやつを使って気を紛らわせれば、外出から興味をそらせます。 遠くからおやつの袋をカサカサと鳴らして自然に窓やドアから引き離しましょう。離れたところであげれば食べた後に再度催促をされにくくなります。
外の状況がわかるようにする 猫によっては室内から景色を眺めるだけで欲求が収まることがあります。カーテンを開けたり網戸にして換気したりして外の雰囲気を味わわせると満足してくれるのです。日光浴ができるように日当たりの良い場所に椅子を設置してあげるのもおすすめです。 ただし景色を見ると余計に気持ちが高ぶってしまい逆効果になることもあります。一度試してみてダメだったら、レースカーテンで日光を取り入れつつ外があまり見えないようにしましょう。
去勢・避妊手術をする 発情期に外に出たがる場合は、去勢・避妊手術が最も効果的です。去勢・避妊がまだなら手術で外出のおねだりがぐんと減るかもしれません。 オスは生後3~7カ月、メスは生後3カ月以降が手術の適正時期で、はじめての発情期が来る前にする方がいいとされています。気になるようなら獣医と相談のうえ早めに手術を行うのが望ましいでしょう。オスは前立腺の病気、メスは子宮や卵巣の病気などを予防できるというメリットもあります。
4.万が一に備えて脱走防止対策をしておこう! 万が一に備えて脱走防止対策を行っておきましょう。どんなに外に出さないよう気を付けていても、わずかな隙をついて脱走する子がいます。通れないと思っていた隙間から脱走することもあるので、以下のような対策をしておくといいでしょう。
  • ・ 玄関に柵をする
  • ・ 窓、網戸にロックやストッパーを付ける
  • ・ ベランダの隙間にネットを張る
  • ・ 首輪に名前、住所、電話番番号を書いておく
  • ・ マイクロチップを装着する
開け閉めするときは猫が何処にいるのかを確認し、逃げ出さないように注意してください。また、猫の爪は鋭いので網戸の耐久性が気になる場合はやぶれにくいものに変えておきましょう。 万が一逃げてしまったときのことを考えて首輪やマイクロチップを装着し、保護されたときにどこの子かわかるようにすることもおすすめします。
5.まとめ 猫が外に出たがるのはストレス発散や縄張りの確認、虫や鳥への好奇心、発情期の異性探しといったように猫の習性・本能によるものです。 しかし、屋外にはケガ、病気、妊娠のリスクがあります。また、一度でも出してしまうとその場所を自分のテリトリーと認識し、見回りできないことがストレスになるため、室内飼いを続けるつもりなら外に出さないことをおすすめします。 十分に遊べる環境を整える、おやつをあげるなどして外出への欲求を無くしてあげましょう。また、脱走防止として柵、ストッパー、ネットを使ってドアや窓の隙間をなくすのも大切です。念のためマイクロチップや首輪で身元がわかるようにしておきましょう。
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