いつもは大人しい子なのに、歯磨きをしようとすると激しく嫌がって噛もうとする。こんな愛犬の歯磨き問題でお困りではありませんか?

実は、歯磨きのときだけ噛まれるのは、恐怖心や病気などワンちゃんにとってネガティブな理由が隠れているケースが多いのです。

今回は愛犬の歯磨き中に噛まれる理由と噛まれないコツ、歯磨きに慣れさせる手順を解説します。噛む原因から改善して、お互いに気持ちいい歯磨きタイムにしましょう。
1.愛犬に歯磨き中に噛まれるのはなぜ?考えられる3つの理由 普段は大人しい愛犬に歯磨き中だけ噛まれる場合は、歯磨きという行為に何か嫌な要素があるからです。まずはそこから考えてあげましょう。よくある3つの理由をご紹介します。 ストレス 噛んでしまう1つ目の理由はストレスです。犬は口元を触られることが本能的にあまり好きではありません。歯磨き中にマズルをつかまれたり口の中を触れられたりするとストレスを感じて、つい噛みついてしまうのです。歯磨き中に目が合わなかったり、体を震わせたりしている場合は強いストレスを感じているサイン。無理やり磨こうとせずに別の機会にするのがいいでしょう。 恐怖心 犬は恐怖を感じたとき、自身の身を守るために噛むことがあります。特に歯ブラシや歯磨きペーストに慣れていない犬は、見慣れない物を口に入れられることに強い恐怖心を抱き、防衛本能で噛んでしまいます。噛もうとまではしなくても、唸り声をあげている、しっぽが下がっている場合は怖がっているサインです。まずは歯磨きへの恐怖心を取り除いてあげることが必要です。 病気・ケガ 病気やケガで口元や口内に痛みを感じているケースも考えられます。歯磨きだけでなく、口周りに触れられること自体を嫌がる場合は体調不良を疑いましょう。口内が出血し炎症を起こしている、または虫歯や歯周病にかかっている可能性があります。これらの症状は他の大きな病気が隠れているケースもあるので、なるべく早めに動物病院へ連れて行きましょう。 2.愛犬に噛まれない歯磨きのコツ 歯磨きで噛んでしまう子には、嫌がる理由に配慮して磨いてあげるのが噛まれないコツです。おすすめの方法をいくつかご紹介しますので実践してみましょう。 犬が楽な体勢で褒めながら磨く 苦しい体勢は歯磨きを嫌がる原因になります。愛犬が楽な姿勢を保ち、「いい子だね」などたくさん褒めながら磨くと、愛犬にとって「歯磨き=褒めてもらえる嬉しい時間」に変わります。 歯ブラシに風味をつける 歯ブラシやペーストを警戒して嫌がる場合は、味をつけるのがおすすめです。歯ブラシにバナナやはちみつなどの味や匂いを軽く付けます。歯ブラシを舐めたら褒めて、慣れてきたら歯ブラシを口に入れて水で磨くようにしましょう。うがいはしなくても大丈夫です。 むりやり口を開けない 口を思いきり開けられるのはほとんどの犬が怖いものです。歯ブラシが通る程度、口が開けばOKなので、無理やり開けさせないよう注意しましょう。磨き残しは別の機会や病院でケアできるので愛犬にストレスを与えないことが重要です。 噛まないように口を閉じたまま磨く 歯ブラシを噛む子は、マズルを軽くおさえて口を閉じたまま歯ブラシを差し込んで磨くと噛むのを防げます。ただし、マズルを強く押さえられると恐怖心を抱かせてしまうので、優しく声をかけながらゆっくり触れ、力加減にも注意しましょう。 歯磨きは1~2分以内に終わらせる 犬の歯磨きは素早く終わらせるのが基本です。1本あたり1~2秒、全体で1~2分で終わらせましょう。すべてを1回で完璧にきれいにしようせず、区画ごとに毎日少しずつ磨いていけばいいので、嫌がる場合はすぐに切り上げましょう。 力加減に注意する 歯ブラシを動かす力加減も大切です。歯磨きを嫌がる子は、摩擦や口内トラブルで痛みを感じている可能性があります。力が強すぎると出血する恐れもあるので、様子を見ながら優しく磨いてあげることが大切です。 歯みがきシートやガムを活用する 歯ブラシに慣れるまでは、歯磨きシートや歯磨きガムなどの便利グッズを活用すると歯ブラシの時間を減らせます。ただし便利アイテムでは歯の隙間の汚れや歯石などは取れないので、アイテムだけに頼らず、歯ブラシも併用するようにしましょう。 定期的に動物病院で歯のメンテナンスをする 歯磨きを嫌がる子はどうしても磨きが甘くなるので、動物病院で歯のメンテナンスを行いましょう。汚れや歯石ケアの他、口内トラブルの早期発見にもつながります。最低でも2~3カ月に1回以上が目安です。 3.噛む犬を歯磨きに慣れさせる手順 今は噛んでしまうワンちゃんも、歯磨きに慣れれば自宅ケアがしっかりできるようになります。歯磨きに慣れさせる手順をご紹介するので、歯磨きのコツと合わせて試してみましょう。 ①口元を触ってみる 歯磨きは口元を触られるのに慣れることから始まります。いきなり触らせてくれる犬は少ないので、おやつをあげながら、もう片方の手で触ってみてください。慣れてきたらおやつを見せながら口元を触り、噛まずに触らせてくれたらご褒美としてあげるようにします。 ②口の中を触ってみる 口元を触らせてくれるようになったら、次は愛犬の口の中を触ってみます。最初は口を開けてくれない場合も多いので、唇をめくって指を入れます。犬にとっては口元よりも口内を触られる方がストレスを感じます。嫌がるそぶりを見せたら、すぐにやめましょう。 ③歯ブラシに慣れさせる 「歯ブラシを見せながらおやつをあげる」を繰り返して、歯ブラシに慣れさせましょう。慣れてきたら歯ブラシを使って愛犬と遊び、「歯ブラシは楽しい物」という印象を与えます。歯ブラシを見せると喜ぶようになるまで辛抱強く繰り返します。 ④歯磨きペーストを舐めさせる 指に歯磨きペーストをつけて愛犬に舐めさせます。嫌がらずに受け入れてくれたら、唇をめくって指で歯を触ってみましょう。これにも慣れたら、指ではなく歯ブラシにつけて舐めさせます。 ⑤歯ブラシを口に入れてみる 歯ブラシについたペーストを舐めさせられたら、様子を見ながら歯ブラシを口に入れます。入れさせてくれたらおやつをあげて褒めましょう。嫌がるそぶりを見せたらすぐにやめることが大切です。 ⑥優しく磨く 口に入れた歯ブラシの毛先を小刻みに動かして揺らすように、優しく磨きます。最初は1本だけ磨くところから始めて、愛犬のペースに合わせて徐々に磨く時間を長くします。磨かせてくれたら、しっかりと褒めてご褒美をあげてください。 4.噛み癖がついているならしつけの必要がある 歯磨きのコツを実践しても、歯磨きに慣れさせる手順を踏んでも噛まれるなら、噛み癖がついている可能性があります。噛み癖を直すしつけを行ってみましょう。噛み癖のしつけは以下の通りです。愛犬に噛まれても一切リアクションを取らず、静かにその場から離れて、時間が経ったら近づきます。その際、再度噛まなければおやつをあげて褒めます。これを繰り返すと、愛犬は「噛まない方がいいことがある」と覚えていきます。自宅のしつけで上手くいかない場合は、動物病院やドッグトレーナーに相談してみましょう。 5.まとめ いつもは大人しい愛犬に歯磨きで噛まれるのは、愛犬がストレスや恐怖、痛みを感じているからです。ストレスや恐怖心を与えないように、楽な体勢や優しい触れ方や声がけ、少しでも嫌がったらすぐに切り上げるなど無理をさせない磨き方をするのがポイントです。歯磨きが嫌いなワンちゃんは磨き残しや口内トラブルに備えて、定期的に動物病院でケアをしましょう。自宅でのケアを充実させるために歯磨きに慣れさせることも大切です。口元に触れることから始めて、口のなか→歯ブラシ→歯ブラシペースト→歯磨きと段階を踏んだ手順で徐々に慣らします。噛み癖がありそうならしつけも検討するといいでしょう。
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