犬をお迎えするとき、外飼いと室内飼いどちらにするか迷う方もいるでしょう。「最近あまり外飼いの犬って見かけないな…そもそも、外飼いってしてもいいの?」と疑問が浮かぶかもしれません。

そこで今回は、犬の外飼いの現状やメリットとデメリット、外飼いと室内飼いの選び方、外飼いの注意点などを解説します。
1.犬の外飼いのいま まずは犬の外飼いについて、最近の実態を解説します。 外飼いの犬の数 2022年にペットフード協会が行った「 全国犬猫飼育実態調査」によると、主な飼育場所が屋外の犬の割合は、5.5%。全国の犬の飼育頭数は705万匹なので、約39万匹の犬が外飼いされていると試算できます。 過去5年間のデータを見てみると、外飼いの割合は9%前後で推移しており、2022年になって5.5%と大幅に減っているようです。 外飼いの割合が減っている理由 徐々に外飼いの犬を見かけなくなってきましたが、その理由は主に2つ考えられます。1つめは環境の変化です。マンションやアパートに住む人が増え、室内でも飼いやすい小型犬の人気が高まりました。さらに近年、日本では気温の上昇が続いています。夏には35℃を超える猛暑日が続く地域も多く、外で過ごすことで愛犬に健康上のリスクが生じる場合もあります。命に関わる危険を避けるために、室内飼いを選択する飼い主も多いのではないでしょうか。2つめは人々の意識の変化です。かつては、番犬として犬を飼う家庭が一般的でしたが、最近では、犬を家族の一員として迎える飼い主が増えています。 2.犬を外飼いするメリット・デメリット 外飼いを選択する飼い主は少数派ながら、一定数いるのも事実です。犬を外飼いするメリット・デメリットには何があるのでしょうか? 犬を外飼いするメリット まずは、犬を外飼いにするメリットをみていきましょう。 部屋を清潔に保ちやすい 犬を外飼いすると、部屋を清潔に保ちやすくなります。犬を室内で飼うと、抜け毛やおしっこなどで部屋が汚れてしまうので、毎日の掃除やトイレトレーニングが欠かせません。犬との生活で室内の汚れが気になる飼い主さんなら、外飼いのメリットは大きいでしょう。 番犬になってくれる 犬は警戒心の強い生き物です。犬が外にいると、人よりも早く不審者に気づき、吠えて知らせてくれるでしょう。飼い主の留守中にも番犬として家を守ってくれます。 犬がリフレッシュできる 犬自身、外にいることでリフレッシュできるというメリットもあります。犬にとって室内は狭く、自由に走り回るのは難しいでしょう。外飼いなら、常に外の空気を吸えて走り回れるので、自由に過ごせてストレスが溜まりにくいと考えられます。 犬を外飼いするデメリット 次に、犬を外飼いするデメリットをみていきましょう。 体調を崩しやすい 外での生活は外気温の変化や天気の影響を受けやすく、愛犬が体調を崩す場合があります。さらに、屋外は室内に比べ不衛生で、管理を徹底するのが難しいため、ケガや病気、感染症のリスクも高まります。一緒に過ごす時間が少なくなりやすいので、体調の変化に気づきにくいという側面もあります。 シャンプーが大変 屋外で長時間過ごしていると、どうしても被毛が汚れやすくなります。室内飼いに比べると、シャンプーやブラッシングに多くの時間を費やさなくてはなりません。 脱走することがある 犬を外飼いするときは首輪をするのが基本ですが、リードや鎖が切れたり、フェンスや柵を越えたりして脱走するリスクはゼロではありません。脱走すると、車にひかれたり、人や他の犬を噛んだりといったトラブルにつながる可能性があります。 事件や事故に巻き込まれるリスクがある 外飼いをしている犬は、事件や事故に巻き込まれる可能性が高くなります。勝手に食べ物を与えられたり、石を投げられたり、最悪の場合、誘拐や連れ去りにあったりするケースもあります。 ご近所トラブルにつながる場合がある 外飼いの犬は、ご近所トラブルにつながる場合もあります。多くみられるのは騒音トラブルですが、攻撃的な態度や噛み付きもご近所トラブルに発展する可能性があります。特に、警戒心が強くよく吠える犬種は注意が必要です。 3.結局、犬は外飼い・室内飼いどちらがいい? 犬をお迎えするときに、外飼いと室内飼いのどちらがよいか悩むことがありますが、最適な飼育方法は、個々の状況や犬種によって異なります。外飼いのメリットやデメリット、住宅事情などを考慮して決めましょう。例えば、家族の中に犬アレルギーの方がいる場合や、住居が狭く犬の運動スペースが十分にない場合は、外飼いが適しているかもしれません。一方、デメリットが気になる場合や、犬との親密な関係を築きたいと考える場合には、室内飼いがおすすめです。犬の幸福や健康、飼い主のライフスタイルに合った最適な飼育方法を選びましょう。 4.犬を外飼いするときに守りたいルール 犬を外飼いする場合、適切なルールを守ることは犬の幸福と健康を保つために非常に重要です。国際的な動物保護活動を行う世界動物保護協会(WAP)が発表した、2020年版「動物保護指数(API)レポート」によると、評価ランクA~Gにおいて、日本はトータルでランクEと低い位置付けでした。そこでランクAをとったスウェーデンの犬の飼育に関する規制から、外飼い時に守りたいルールをピックアップして紹介します。
  • 少なくとも1日2回は、飼い主か誰かが犬の様子をみる
  • 社会的な接触を与え、犬を満足させる
  • 庭付きの犬舎で飼われている犬でも、毎日外に出して犬舎外で排泄の機会を与える
  • 外で2時間以上犬を繋ぎっ放しにしない
  • 犬のサイズや頭数に応じて定められた面積を満たす運動スペースを用意する
  • 犬のサイズや頭数に応じて定められた面積を満たす犬小屋を用意する
人によっては、意外と見落としがちな動物愛護の観点も含まれているかもしれません。外飼いは犬にとってもメリットがあるものの、健康や事故などのリスクが比較的高いのも事実です。これらのルールを守り、犬の生活環境を向上させましょう。 5.まとめ 犬の外飼いは、2022年時点で全体の飼育数の5.5%と少数派です。外飼いの割合が減っている原因としては、住環境の変化や平均気温の上昇、人々のペット意識の変化などが考えられます。犬を外飼いすると、部屋を清潔に保てる、番犬になってくれる、犬自身がリフレッシュできることがメリットです。その反面、犬の健康リスクや脱走、事件・事故の危険性が上がる側面もあります。外飼いのメリット・デメリットや飼い主のライフスタイル、犬の種類や大きさに応じて、外飼いにするか、室内飼いにするかを考えましょう。外飼いするときには、犬が快適に過ごせるように、ルールを決めておくことをおすすめします。
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