１．犬の涙やけとは？ 犬の涙やけとは、涙の成分で毛が茶色く変色する現象です。本来、涙は上まぶたにある主涙腺から分泌され、眼の表面を潤し、まばたきによって目頭に集まります。集まった涙は目頭にある涙管から排出され、鼻涙管を通って喉へと流れます。＜涙の流れ＞
主涙腺で分泌→眼→涙管から排出→鼻涙管を通って喉へしかし、涙が過剰に分泌されたり、分泌～排出の流れがどこかで詰まったりすると、鼻に流れていくはずの涙が眼から溢れてしましいます。その結果、涙やけにつながるのです。 ２．犬の涙やけで考えられる3つの原因 犬の涙やけの原因は大きく3つに分けられます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。 涙の流れに異常がある 1つめは、涙の流れに異常があるケースです。炎症や感染症などにより、涙管が細くなったり閉塞したりすると、涙が鼻に抜けていきません。結果として、涙が眼から溢れてしまいます。＜考えられる病気＞

• 涙嚢炎（るいのうえん）…涙嚢や鼻涙管に炎症が起こる疾患
• 鼻涙管閉塞（びるいかんへいそく）…鼻涙管の炎症や、先天的な形状の問題などにより、鼻涙管が塞がっている疾患
• 涙点閉鎖症…生まれつき、涙点が閉鎖している疾患
• 小涙点症…生まれつき、通常よりも涙点が狭い疾患

涙の生産量が多い 2つめは、涙の生産量が過剰なケースです。逆さまつ毛などにより角膜が刺激されている場合や、傷や炎症で眼に痛みが生じている場合も、涙の量が多くなります。＜考えられる病気＞

• 眼瞼内反症（がんけんないはんしょう）…逆さまつげの一種で、まぶたの皮膚やまつ毛が眼球を刺激している状態
• 角膜潰瘍…角膜の階層のうち、角膜実質まで傷が及んだ状態
• ブドウ膜炎…ウイルスや細菌、真菌に感染し、眼に炎症が起きた状態
• 緑内障…眼球を満たしている液体、房水の生産と排出のバランスが崩れ、眼圧が上昇した状態

涙の保持機能が発達していない・低下した 子犬の場合、眼の周囲の筋肉が発達しておらず、涙の流れや分泌量に異常がなくても涙を保持できない場合があります。反対に、加齢により涙の保持機能が低下して流れ落ちるケースもあります。 ３．涙やけを起こしやすい犬種はいる？ 体格や体のつくり、顔の形状などにより、涙やけを起こしやすい犬種がいます。例えば、以下のような犬種は、涙やけを起こしやすいといわれています。 短頭種 シーズーやパグ、フレンチブルドッグなどの短頭種は、鼻が短く、眼が大きいことから、眼のトラブルが多い犬種です。顔の構造から、生まれつき鼻涙管が狭かったり、塞がっていたりするケースも珍しくありません。 小型犬 チワワやトイプードル、ポメラニアンなどの小型犬は、生まれつき鼻涙管が細く、詰まりやすい傾向にあります。 アレルギーになりやすい犬種 柴犬やミニチュアダックスフンド、アメリカンコッパースパニエルなどは、生まれつきアレルギーになりやすい犬種です。アレルギー疾患により眼に炎症を起こすと、涙の量が増えて涙やけを起こしやすくなります。 ４．犬の涙やけの対処法・予防法 愛犬に涙やけがみられた場合、どのように対処すればいいのでしょうか？ 病院で治療を受ける 愛犬の涙やけを発見したら、そのままにせず、まずは病院を受診しましょう。「涙やけは毛の色が変わるだけだから大丈夫」「目やにや充血など他の症状も見られないし、放っといたら治るだろう」といった自己判断は危険です。食べ物が原因の場合は、食事を変えるだけで改善が見込めるケースもありますが、涙点や鼻涙管の状態によっては手術が必要となるかもしれません。病院を受診すると、それぞれの原因に応じた治療を受けられます。涙嚢炎や鼻涙管閉塞の場合は鼻涙管洗浄が行われることが一般的です。細菌に感染している場合、抗生剤が処方されることもあります。愛犬の健康のためにも、目のトラブルを発見したらすぐにかかりつけ医に相談しましょう。 涙をこまめにふき取る 涙やけの原因は「涙で毛が濡れること」なので、眼の周りの涙をこまめにふき取ることが涙やけの予防になります。眼球を傷付けないように注意して、コットンやガーゼで優しくふき取りましょう。涙で毛が固まっている場合には、コットンなどで毛を優しく濡らし、目の細いコームでといてあげると取れやすくなります。 ５．犬の涙やけケアにおすすめのアイテム 愛犬の眼の周りをケアするには、専用のグッズを使うと便利です。ペテモおすすめの涙やけケアアイテムをご紹介します。 PETEMO はめるだけ指サック型シート涙やけ スーパーキャット らくらく涙やけケアシート 30枚 2個パック スーパーキャット らくらく涙やけクリーナー 45ml トーラス 涙やけ・イヤー初めての方用 30ml ６．まとめ 犬の涙やけは、涙で眼の下が常に濡れた状態となり、毛が変色する現象です。涙やけの原因は、①涙の流れの異常、②涙の過剰生産、③涙の保持機能の低下の大きく3つあると考えられています。涙をこまめにふき取ることで涙やけ自体は防げますが、愛犬の眼の周りに涙やけが見られたら、自己判断せずに病院を受診して獣医師の判断を仰ぎましょう。