猫用おやつ「ちゅーる」は、飼い主の間で「マタタビが入っているのではないか」と噂されるほど、多くの猫から人気を集めています。商品の種類もたくさんあるため、飼い主の立場から考えても、愛猫の好みや体調に合わせて選びやすいというメリットがあります。

しかし、ちゅーるはキャットフードの代わりになるものではないため、与え過ぎると愛猫が体調を崩すリスクがあります。この記事では、猫が大好きなちゅーるの適正量に触れつつ、適正量を超えた場合のリスクや正しい与え方について解説します。
1.猫が大好きな「ちゅーる」とは? 猫用ちゅーるとは、ペーストフードをスティック状にした猫用オヤツの総称です。各メーカーが様々な商品を出していますが、いなばペットフード株式会社の「CIAOちゅ~るⓇ」がもっとも有名なため、ペーストフードタイプのおやつ全般をちゅーると呼ぶ飼い主が多く見られます。猫を引き付ける香りと味が特徴で、その食べやすさから猫の食いつきが良いことで知られています。ちゅーるが登場したことにより、飼い主がおやつを与える際に食べやすいようほぐす必要がなくなったため、その点を評価する飼い主もいるようです。ただし、ちゅーるはあくまでおやつ(補助食品)であるため、人間と同じくそればかり与えると栄養の偏りを招く恐れがあります。また、猫の年齢や体調に合わせた様々な種類があるため、与え方には注意が必要です。 2.猫用ちゅーるの適正量 ちゅーるの適正量は、商品の成分や猫の体調などによって異なるものの、目安となる分量があります。「CIAOちゅ~るⓇ」の公式サイトでは、猫のおやつの適正量と1日の塩分摂取量などに配慮して、以下の通り紹介しています。
  • 猫の1日に必要な総エネルギー量の約20%以内が上限
  • 1日あたり最大4本まで
猫の1日に必要な総エネルギー量は、以下図表の通り、体重によって異なります。
体重 1日に必要なカロリー量 ちゅーる量の目安
1日に必要なカロリー量の20%
1kg 98kcal 19.6Kcal以下
2kg 182kcal 36.4Kcal以下
4kg 266kcal 53.2Kcal以下
6kg 350kcal 70.0Kcal以下
8kg 434kcal 86.8Kcal以下
※このカロリー値はあくまで目安です。(参考:小動物の臨床栄養学 第4版)参考:https://www.ugpet.com/guide/cat/food/ingredient/calorie/calc例えば、体重6kgの猫にちゅーるを与える場合、1日に与えられるちゅーるの上限は次のように計算できます。【350kcal×0.2=70kcal】ただし、上記はあくまでも目安の数値であることから、メインで与えているキャットフードとのバランスや愛猫の体調を見て調整することが大切です。与え方を間違えると体調に影響が出る場合があるため、不安がある人は獣医と相談して与えるようにしましょう。 3.猫用ちゅーるの量を間違えたときのリスク 適正量を超えてちゅーるを与え過ぎてしまった場合、どのようなリスクが考えられるのでしょうか。以下、主なものをご紹介します。 普段のフードを食べなくなる 嗜好品として作られているチュールを常用していると、普段食べているキャットフードでは味や香りが物足りなくなり、食べなくなる場合があります。人間がお菓子を食べ過ぎてご飯が食べられなくなるのと同様に、猫もちゅーるを食べ過ぎるとご飯が食べられなくなる恐れがあるのです。 栄養不足のリスク ちゅーるはおやつなので、猫に必要な栄養の全てが入っているわけではありません。ちゅーるばかりを食べて主食を十分に食べられなくなると、成長や健康維持に必要な栄養素が不足してしまう恐れがあります。 肥満のおそれ 多くの猫にとって魅力的な匂いと味を持つちゅーるは、総じて猫の食いつきが良く、飼い主の食べさせ方によってはカロリー過多になってしまう恐れがあります。実際、商品の中にはカロリーが高いものもあるため、愛猫が肥満にならないよう与え方には注意が必要です。 4.猫用ちゅーるの正しい与え方 ちゅーるを与える際は、愛猫の体調を考えながら、正しい与え方を意識して与えることが大切です。具体的には、次のような与え方を意識するとよいでしょう。 総合栄養食のフードをメインにする ちゅーるはおやつのため、それだけを与えていると必要な栄養素が不足してしまう恐れがあります。愛猫の主食は、総合栄養食のキャットフードをメインにしましょう。 愛猫の年齢に合ったちゅーるを選ぶ 一般的に、生後6か月までの子猫にはオヤツは不要とされます。愛猫がまだ小さい場合は、ちゅーるも6か月以上から様子を見て与えるのが良いでしょう。また、ちゅーるには子猫用、高齢猫用など愛猫のライフステージにあった商品があるため、購入する際は商品情報を確認してから与えましょう。 ご褒美や体調不良時に与える 嗜好品であるちゅーるを常に与えていると、普段の食事を食べなくなる恐れがあります。普段から繰り返し与えず、しつけやケアの際のご褒美、体調不良で食べられないとき、薬を飲まないときなどに与えるのがおすすめです。 健康配慮良品は獣医に相談してから与える ちゅーるの中には、毛玉ケアや腎臓に良いなど健康に配慮した商品もあります。これらの商品には特定の栄養素が追加されているため、体に合わない可能性もあることから、与える前に必ず獣医に相談しましょう。 残ったちゅーるは与えない ちゅーるは水分量が多く、保存料無添加のチュールは傷みやすいため、開封後に残ったちゅーるを与えると愛猫が体調を崩す恐れがあります。袋を開封した後、愛猫が全量を食べ切らなかったとしても、残ったちゅーるを後で与えることは控えましょう。 5.まとめ ちゅーるが大好きな猫は多いため、飼い主としてはできるだけたくさん食べさせてあげたくなりますが、ちゅーるはあくまでもおやつである点に注意しましょう。ちゅーるばかりを食べさせてしまうと、キャットフードを食べなくなることもあります。ちゅーるを与える際は、愛猫とのコミュニケーションツールの1つとして、しつけのご褒美や体調不良時などのタイミングで与えると良いでしょう。猫の大きさや年齢によっても与える量は変わってくるため、ライフステージに合った商品を選ぶことも大切です。
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