ペットの長寿化が進む昨今、飼い主様の健康対策への意識も年々高まっています。「大切な家族であるペットには少しでも長生きしてほしい」とさまざまな工夫や工夫をしていらっしゃる飼い主様も多いかと存じます。
ペットの様子に異変があらわれたときに受診するのはもちろんのこと、最近ではペットの状態を定期的にチェックする「ペットドック」でこまめに健康管理を行う飼い主様が増えてきました。
そこで今回は、ペットの健康診断・ペットドックの実情と飼い主様が普段行っている健康対策等についてアンケートで調査しました。
今回のアンケート対象 アンケート回答者:愛犬や愛猫を飼っている方127人(全国)
アンケート回答期間:2024/8/1~8/2
アンケート機関:イオンペット株式会社
アンケート方法:インターネット調査
■ペットドック・健康診断を受ける割合 Q1. 現在飼っているペットにペットドック・健康診断を受けさせていますか。(単一回答) ペットドック・健康診断を受けさせた経験がある方は76.4%、年1回以上の頻度で定期的に受けさせている方は44.9%。数年に1回のペースで診断を受ける方も含めると合計61.4%が定期的に検診を受けていることが明らかになりました。

かなり多くの飼い主様がペットの健康に意識を向けていることが見てとれます。

一方でまったく受けさせていない飼い主様が約4分の1(23.6%)と、回答が分かれる結果になりました。
Q2.飼い主様自身は定期的に人間ドックを受けていますか。 自分自身が人間ドックに通っている方はペットにも定期的な診断を受けさせており、自分自身が人間ドックに通ったことがない方は定期的な診断を受けさせないことが多い結果になりました。

飼い主様自身の健康意識とペットへの健康意識は管理において似る傾向にあると言えるでしょう。

「自分自身は人間ドックを受けたことがない」と回答した飼い主様のうち41.5%はペットにも健康診断(ペットドック)を受けさせたことがないと回答していますが、一方で39.0%はペットに年1回以上の頻度で定期的な診断を受けさせています。
自分の健康よりペットの健康を大切にする人も一定数いるのかもしれません。
■ペットドック・健康診断の内容について Q3.ペットドック・健康診断を受けさせた理由として近いものを選んでください。 Q1で「ペットドック・健康診断を受けたことがある」と回答した方に健康診断(ペットドック)を受けさせた理由について伺いました。

「動物病院に勧められたから」と答えた方は54.6%。ペットショップで勧められたケースも含めると74.2%の飼い主様が外部のスタッフ・専門家におすすめされたという理由で診断を受けています。

また、「既に気になる症状があるから」と回答した方は12.4%という結果でした。言い換えれば、残り85%以上の飼い主様はペットの健康に異変を感じていなくても健康診断(ペットドック)を受けに行っていることになります。

ペットを想う飼い主の積極的が見て取れる結果となりました。
Q4.ペットドック・健康診断で普段受けている診断項目を教えてください。 Q1.で「ペットドック・健康診断を受けたことがある」と回答した方に普段受けている診断項目を伺いました。

半数以上の方が受けている基本的な診断項目は「血液検査(72.2%)」、「触診(66.0%)」、「問診(60.8%)」の3つ。その他の項目はばらつきが出る結果になりました。

「ペットドック」と一口に言っても受けている診断内容は病院によって大きく異なりますが、様々な病気のリスクを知ることができる血液検査をメインとし、その他の項目はオプション化している病院もあるようです。
Q5.ペットドック・健康診断で異変や病気の早期発見につながった経験はありますか。 Q1.で「ペットドック・健康診断を受けたことがある」と回答した方に異変や病気の早期発見につながった経験があるかお聞きしました。

Q3.で「既に気になる症状があるから(受診した)」と回答した方は12.4%でしたが、実際に健康診断(ペットドック)病気や異変が見つかった方は54.6%という結果になりました。定期的な診断が今まで気づかなかった病気に気付くきっかけになっていることが伺えます。

ペットの中には痛みやつらさを隠してしまう子も多いため、目に見える異変が出てくる前に病院へ行き、定期的に健康状態を診てもらうことが重要です。
Q6.ペットドック・健康診断の診断結果はどのように扱っていますか。 9割以上の方が診断結果をもらった後に何らかのアクションを起こしていますが、「ほとんど/全く見ない」と回答している人も8.2%と一定数いることが分かりました。ただし「ほとんど見ない/全く」と回答した飼い主様は全員Q4.で「診断が病気の早期発見につながっていない」「分からない」と答えています。

つまり診断で異変が見つかった人ほど診断項目について調べたり、定期的に見返したりするなど診断結果を活用していることが伺えます。特に回答数が多かったのは「家族や友人に結果を見せる(39.2%)」、「診断項目について調べる(39.2%)」です。
Q7.(早期発見の経験がある方に)どんな病気・異変が発見されましたか。 Q5.で「異変や病気の早期発見につながったことがある」と回答した飼い主様に具体的な異変・病気の内容を伺いました。

1位は「目の病気」28.3%。続いて「肥満」26.4%、「歯・口腔の病気」22.6%という結果に。検査で見つかるのは命に関わる病気でないことが多いものの、中には重い病気が発見されるケースもあるようです。
■受診後のアクション Q8.ペットドック・健康診断後に始めた改善アクションはありますか。 健康診断(ペットドック)後のアクションとして最も回答数が多かったのは「フードの改善・変更」50.5%。実に半数以上の人が食生活の改善に意欲を持っていることが伺えます。

次に、検診で発見された主要な異変・病気ごとにどのような改善アクションを起こしているのか見てみましょう。
目の病気があるペットに対してはさらに特出した割合となっており、80.0%の飼い主様が「フードの改善」を行っているとの結果に。わんちゃんもねこちゃんも結膜炎など目の症状が起こる原因がフードによる食物アレルギーであることが多いため、フードを改善する飼い主様が多いと推測されます。

肥満が見つかったペットに対して「フードの改善(71.4%)」を行うのはもちろん、「運動量を増やす(50.0%)」、「歯磨き・口臭対策(42.9%)」など食事に必要なお口のケアや運動習慣の改善を進めている飼い主様が多い傾向でした。

歯・口腔の病気があるペットには「フードの改善(83.3%)」、「運動量を増やす(58.8%)」、「口腔ケア(50.0%)」、「サプリを与える(58.3%)」など、さまざまな対策を行っている飼い主様が多いという結果に。歯周病など歯・口腔の症状はわんちゃん・ねこちゃんに最も多くみられる病気と言われるだけあり、多くの飼い主様が対策に力を入れていることが分かります。
■ペットドックに求めるサポート Q9.ペットドックにあったらいいなと思うサポート、サービスを教えてください。 一番割合が多かったのは「食生活の改善サポート(32.3%)」。健康診断(ペットドック)を通じて毎日の食生活が気になり始めた方が多いのかもしれません。普段の生活では獣医さんなど専門的な知識を持つ人からアドバイスをもらえる機会は多くないため、ペットドックのタイミングでサポートしてもらえるサービスがあったら安心できそうです。

その他、回答数が多かったのは「アプリで診断結果を記録(30.7%)」、「検査前の診断項目アドバイス(29.2%)」、「役立つアイテム紹介(23.6%)」など。

今後、ペットドックがさらに便利なサービスとなることに期待を寄せている飼い主様が多いようです。
【ペットの健康に関する調査結果まとめ】
  • ペットドック・健康診断を定期的に受けさせている飼い主様は全体の61.7%
  • 実際に健康診断(ペットドック)で病気や異変が見つかった経験のある方は54.6%
  • 自分は人間ドックを受けず、ペットには健康診断(ペットドック)を受けさせる飼い主様が一定数いる(「人間ドックを受けたことがない」と回答した方のうち39.0%)
動物病院やペットショップで勧められて受診することの多いペットドック。現在はペットの健康を考えて定期的に受診する飼い主様がかなりの割合でいらっしゃることが今回の調査で明らかになりました。ただし、獣医さん推奨の「年1回以上」ペットドックを受けている人は半数以下と、まだ浸透しきっていない側面もあると言えるでしょう。

ときに自分の健康を後回しにしてでも、ペットには元気でいてほしいと願ってしまうものです。病気が増えてくるシニア世代はもちろん、特に異変が見受けられず病院に行く機会が少ない若い世代のわんちゃん・ねこちゃんこそ定期的にペットドックを受診すべきかもしれません。

愛犬・愛猫に長く元気でいてほしいと感じる飼い主様は、ペットドックでの診断内容を生かして対策に取り組むことをおすすめします。
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